TeX文章作成の基本

ここでは,xyzzyを使ってTeXによる文章を作り,DVI(またはpdf)ファイルを出力するまでの一連の流れを説明します.

1. TeXファイルの作成

TeXで文章を書いたり出力したりする際は,一般的に複数のファイルが必要になる場合がほとんどです(4つか5つぐらい).
そのため,まずは作業用のフォルダを適当な場所に新しく作り,以降の作業はそのフォルダ内でやるとスマートかと思います.

次にファイルの名前をつけて保存から,「ファイル名.tex」として上で作った作業用のフォルダに保存します.つまり「.tex」が拡張子のファイルならそれはTeXのファイルになります.

そのままの状態ではかてふモード(前述)になっていません.次のうちどちらかを行ってかてふモードにします.

  1. xyzzyを一回閉じ,保存したファイルをダブルクリックして開く
  2. [M-x](Altを押しながらxをタイプするという意味です)を入力します.キャレットが下部に移動するので,katex-modeとタイプしEnter

かてふモードになっていることを確認します.

上記の手順にしたがって,作業用フォルダとしてtestフォルダを作り,test.texを作ってみましょう.


2. 必須コマンドの記入

C言語のソースとして#includeやメイン関数が必須であるように,TeXにも必要最低限記入しておくべきコマンドがあります.

TeXソースの必要最小限の要素は次のとおりです(一例です).

\documentclass{jsarticle}
\begin{document}
Hello, world!
\end{document}

test.texに上記のソースをコピペしてください.


3. 文章の作成

TeXはHTMLと同じようにマークアップ言語です.したがって,文章は\begin{document}と\end{document}の間に記述されることになります.

ためしに次の文章をHello, world!の次の行へコピペしてください.

これはサンプルの文章です.
テキストファイルの中では
どこで改行してもかまいません.これはサンプルの文章です.
テキストファイルの中では
どこで改行してもかまいません.

段落の切れ目には空の行を入れておきます.

4. DVIファイルの作成(platexによるコンパイル)

それではいよいよTeXのソースファイルを目に見える文章に出力します.ここではTeXのソースファイルをplatexというコンパイラでコンパイルし, DVIという形式に出力します.

  1. TeXのソースファイル上で[C-c t j](Ctrlを押しながらcを押した後,t,jとタイプするという意味です)を入力します.
  2. 下のウィンドウでなにやら処理が行われて終了します.
  3. もし?がでて処理がとまった場合は[S-r](Shiftを押しながらrを押すという意味です)を入力して処理をキャンセル,ソース内にエラーがないかチェックします.
  4. エラーを直して再度1の処理を行います.

以上の処理を終えると,作業フォルダに.dviファイルが出来上がっています.これが出力ファイルです.


5. 出力ファイルの確認

上で出来上がったdviファイルを確認してみましょう.確認は次のうちどちらかでできます.

  • 作業フォルダにできた.dviファイルをダブルクリックする.
  • TeXのソース上で今度は[C-c t p]を入力,2度[Enter]を押す.

いかがでしょうか,DVIビューワーが起動し,印刷画面のような出力画面が出たと思います.

TeXによる文章の執筆は,「文章の作成」,「DVIファイルの作成」,「出力ファイルの確認」を繰り返しながら進めていくためにWordとはかなり勝手が違います.

ですがこのTeXによる文章の書き方に慣れてしまえば,きちんとしたレイアウトで精度の高い出力を得ることができます.


6. PDFファイルの作成

文章が完成すると,今度は提出用にPDFで保存したくなると思います.TeXをPDFに変換する場合もDVIと同様,簡単なコマンド入力で作成できます.作り方は次のとおりです.

  1. TeXのソース上で[C-c t l]を入力します.
  2. コマンドプロンプトが立ち上がり,なにやら処理が行われて終了します.

なお,TeXのソースファイルはあらかじめ[C-c t j]でDVIにコンパイルしておいてください.

どうでしょうか,作業用フォルダの中を見てみると,.pdfファイルが出力されていると思います.